自民党の安倍晋三元首相が銃撃され、死亡してから8日で1カ月となる。
保守系議員が相次いで会合を開き、安倍氏の遺志を継ぐことを確認した。しかし、指導者を失ったショックはまだ続いており、閣僚経験者の間では「保守が漂流している」との危機感が強まっている。その背景には、国民が一致団結する後継者がいないことがある。
主な保守系議員団体
安倍氏が顧問を務める「保守合同の会」が3日に開いた会合で、安倍氏の肖像画が飾られた。代表世話人の高鳥修一衆議院議員は、「本当に悲劇で、心に大きな穴が開いてしまった」と述べた。4日には、安倍氏が特別会員だった「日本の品格と国益を守る会」も集会を開き、代表の青山繁晴参院議員らが黙祷を捧げた。
阿部さんは、稲田朋美元防衛大臣が会長を務める「伝統と創造の会」の顧問を務めていた。また、超党派の「日本会議国会議員懇談会」の特別顧問として深く関わり、保守派全体の象徴として、強い影響力をもっていた。
そのため、保守派からは、「安倍さんに代わる人はいない。誰も彼の代わりにはなれない” 突然の逝去に惜しむ声は後を絶たない。党保守派代表で参議院議長の古屋圭司元国家公安委員長は「野望はない」という。昨年、安倍氏の支援を受けて総裁選に出馬した高市早苗政調会長は、安倍氏亡き後の見通しが立たない。
安倍氏は生前、周囲に「保守はなかなか結束しない」と話していた。安倍氏を中心にまとまっていた保守派が「いくつかに分裂する」(党関係者)恐れがある。
安倍政権時代に党の「岩盤」と呼ばれた保守層の離反を指摘する声もある。岸田文雄首相が安倍氏を「国葬」にしたのは、保守層や保守寄りの有権者を引き留める狙いがあったとの見方もある。しかし、党内のリベラル派と位置づけられる宏池会(岸田派)の代表としてできることには限界がありそうだ。
こうした中、安倍氏が会長を務めた「日本創生会議」を、安倍氏の49回忌にあたる25日以降に再始動させる計画が進行している。保守系団体をまとめるのが狙いだ。同団体のベテランは「第2次安倍政権をつくった原動力だ。第2次安倍政権を作った原動力であり、大きな遺産なのでしっかり盛り上げたい。
自民、「保守漂流」の危機 衆目一致の後継者なく 安倍氏死去、38日!?