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モラル低下だけじゃない! 「救急車」を邪魔するドライバーが近年増えているワケ!?

一時停止」のルールはどこに?
救急車(画像:写真AC)
 運転中に「救急車」が来た場合、その通行を妨げてはいけません。
 この法律を守らないドライバーもいます。近年、SNSや動画サイトの普及により、こうした行為が世間に露呈していますが、道路交通法では以下のように規定されています。
[画像】危険すぎる! 60年前の「暴走族」をご覧ください。
第40条第1項 交差点又はその付近において緊急自動車が接近しているときは、路面電車は、当該交差点を避け、かつ、当該交差点において停止して、自動車(緊急自動車を除く。) 以下この条において同じ。) 2項 交差点又はその付近に緊急自動車が接近したときは、路面電車は、その交差点を避け、車両(緊急自動車を除く。)は、道路の左側(一方通行道路にあっては、道路の左側に寄ることが緊急自動車の通行の妨げとなるときは、道路の右側)に寄らなければならない。次項において同じ。) (緊急自動車の運転者は、一時的に道路の左側(道路の左側に寄ることが緊急自動車の通行を妨げることとなる一方通行の道路にあっては、道路の右側)に停車しなければならない。)
第40条第2項 前項以外の場所で緊急自動車が接近してきたときは、道路の左側に寄ってこれに道を譲らなければならない。
 運転免許をお持ちの方なら、講習で習ったことがあるのではないでしょうか。緊急車両が近づいてきたら、交差点付近には進入せず、道路の左側に停車しなければならない。もちろん、一方通行などやむを得ない場合は、安全を確認した上で道路の右側で一時停止することもあります。それ以外の場合は、道路の左側に道を譲るのが原則です(ケースバイケースで停車)。
 救急車は、一刻を争う人の命を運んでいる。社会通念上、日本国民はそれに協力しなければならない。しかし、中には止まらず、避けず、ひどいときには救急車の後ろを走り、緊急車両を優先的に利用する人たちもいます。後者は論外としても、近年、前者が増えていると言われるのはなぜか。
増加する車の “遮音性”
車の窓ガラス(画像:写真AC)
 まず、クルマの遮音性が極めて高くなったことが挙げられる。その一例が、高遮音性ガラスです。
 クルマの進化とともに、クルマをプライベートな空間として使うことが重視されるようになったため、走行音などのロードノイズだけでなく、車外からの音そのものを遮る仕様にシフトしているのです。
 この遮音性の高いガラスは、従来の単層ガラスのような1枚のガラスではなく、2枚のガラスを貼り合わせたものが一部の高級車に搭載されています。一部の高級車では、2枚のガラスの間に特殊な遮音フィルムを挟み込んでいます。このフィルムの目的は、車内や車外からの騒音を遮断することですが、遮熱やガラスを割っての盗難防止にも使われています。
救急車が来ているのに気づかなかった。
 意図的な場合もありますが、実はこの遮音性の向上も「なぜ止まらないのか」の理由になっている場合があります。
 遮音性の高いガラスでなくても、昔のクルマに比べればガラスの厚みは増しています。その場合、物理的に音漏れや車外からの騒音を低減することができます。グレードに関係なく、車内が従来よりも静かになります。
 そのため、救急車のサイレンが聞こえにくくなり、不用意に救急車を割り込んでしまう。その結果、救急車の病院への到着が遅れ、搬送する人の体調に影響が出るという悪循環に陥ってしまうのです。

モラル低下だけじゃない! 「救急車」を邪魔するドライバーが近年増えているワケ!?
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